HOME > 自助グループ・社会資源 > 摂食障害の人が通える居場所 > vol.2 NPO法人のびの会 ミモザさん

 

神奈川県横浜市の地域活動支援センターミモザさんにリカバリーフレンドメンバーで見学に伺いました。
開所から20年余りも活動を続けて来られたミモザさん。
見学を通して、様々な人たちの願いや知恵によって培われてきた場の在り方や雰囲気を味わっていました。
施設長で精神保健福祉士の竹内さんにお聞きした施設の概要をまとめます。

(2018/12/4公開 取材・文:あかりプロジェクト いづ)

 

ミモザとは?(パンフレットより)

地域活動支援センターミモザは、1998年に病院の摂食障害家族会と当事者グループの人達により立ち上げられ、2001年より横浜市の認可 受けて運営を開始しました。
現在は、摂食障害を中心に様々な心の病を持つ女性のための居場所兼リハビリテーション施設として活動し、みなさん一人ひとりがそれぞれに合った回復の形を見つけられるようお手伝いしています。

 

地域活動支援センター ミモザ

〒236-0014 神奈川県横浜市金沢区寺前1-1-28 Nビル 3F
※京浜急行電鉄金沢文庫駅から徒歩10分

TEL・FAX 045-787-4329
MAIL mimoza★nobinokai.or.jp(★を@に変えてください)
ウェブサイト http://nobinokai.or.jp/mimoza_about.html

 

 

勉強会からカラオケまで、多彩なプログラム

プログラムの内容を教えてください。

「食に向き合うプログラム」として、週一の「ちょっとした昼食会」や月一の「お誕生会」「ナイトケア 夕食会」があります。例えば今度のお誕生会は餃子やピザをつくって食べます。参加したい人は当日の期限までにホワイトボードにエントリーします。

ー食に取り組むのは直球ですね!

参加が難しい方も多いですが、横で雰囲気を感じているだけでも、心が動いたり気付くことがあったりする方もいらっしゃるようです。

ーなるほど。ウェブサイトにとっても美味しそうなごはんの写真がたくさん載っていて、このプログラムはすごく気になっていました。

そのほか「自分自身に向き合うプログラム」とし て、当事者のみの自助的なプログラム「EDミーティング」や心理士によるアサーションなどの勉強会、家族、子育て、コンプレックスなど様々なテーマによって開催されるテーマ別ミーティングがあります。

さらに、カラオケやヨガ、レクリエーションなどの「生活を楽しむプログラム」、内職をしたり、パウンドケー キやクッキーを焼いたり、それらを地域のイベントで販売したりする「社会参加のプログラム」、ミモザ通信の編集委員会や音楽サークルといった「自主活動」 があります。

ーどのプログラムが人気ですか?

一番人気なのはEDミーティングで、アサーションも人気がありますね。あとは、カラオケも人気なんですよ!近くのカラオケボックスにみんなで行きます。みんな気持ちよさそうに熱唱を聞かせてくださいます。

ーそれは楽しそうですね!内職やお菓子作りは対価ももらえるのですか?

はい、作業記録を作成して、作業の分だけお支払いをしています。お菓子は季節によって需要が変わるので時期によって変動はありますが、だいたい毎月2,000円~10,000円ぐらいです。平均すると月に数千円になるでしょうか。

ーそれはやりがいがありますね。


づくりクッキー


広くて本格的なキッチン


楽器がたくさん!(この反対側にはドラムまでありました!)

 

みんなで居心地の良い場所を

ーどんな人が利用できますか?


横浜市にお住いの女性で、精神科または心療内科に通院中で主治医の同意が得られている必要があります。近隣地域の方はご相談に応じています。
それから、ミモザでの約束を守れることを確認した上でご利用いただいています。
例えば、ミモザでの嘔吐や下剤乱用、自傷行為や飲酒しながらの来所は禁止です。

ー「嘔吐厳禁」の張り紙がトイレに貼ってありますね。

開所当初に下の階の郵便局のトイレが詰まってしまったことがありました。利用メンバーも運営メンバーも、そして郵便局の方も、みんな大変な思いをすることになってしまったんです。
それで、地域の人たちに迷惑をかけるのは嫌だという話になり、このようなルールができました。

ーそんな経緯がおありだったのですね。それこそ、ここを居心地の良い場所にするためにみんなで紡いできた知恵ですね。

それから、見学後は体験通所をしていただくのですが、3ヶ月で12回以上ぐらいのペースで来られるようになったら本登録に進んでいただいています。細くてもいいからなるべく続けてもらいたいという願いをこめて、このような基準を設けています。

ーなるほど、続けることで見えてくることって確かにありますものね。



編集委員会の手づくり通信

 


メンバーさんの作品

 

お家にいるような雰囲気にしたい

ーここを運営するにあたって、工夫していることなどはありますか?

安心安全を感じられないような環境で過ごしてこられた方も多くいらっしゃいます。
開所日が火曜日~土曜日なのも、週末にご家族と一緒に過ごすのが息苦しいという声が開所当初にあったからだと聞いています。
ですので家庭的な雰囲気を大切に「行きたいな」と心から思ってもらえるような安心できる場所になるように心がけています。スタッフもみんな、メン バーさんへの「共感」を大切に過ごしています。

ーここでメンバーさんと関わっていて嬉しいと感じるのはどんな時ですか。

やっぱり、メンバーさんが楽になってきたご様子を感じた時など、変化が見られた時には本当にうれしいですね。他のスタッフにも聞いてみたところ、「近所ですれ違って声をかけてくれた時がすごくうれし い」などの声が挙がりました。
スタッフは摂食障害の経験が無い方々ばかりなのですが、お互いに「相手を分かろう」という姿勢で過ごしています。

ーなるほど、スタッフのみなさんが「摂食障害について知っている地元の普通の人」なのは、地域にとっても、地域で暮らす摂食障害を抱える人にとってもステキなことかもしれませんね。
今日はたくさんのお知恵をわけてくださってありがとうございました!



休憩したりまったりできるお部屋(大きなリビングのようなメインのお部屋は別にあります)


作業室・相談室

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