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摂食障害と仕事 ~ルマコラム~

Vol.5 ありのままの私で働くのは難しいけれど

 日差しが徐々に暖かくなっていくこの季節。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私は普段、パソコンと向き合ってることが多いので、今日は何となく外に出たくなって、ぶらぶら散歩をしてみました。

 頭ばっかり使っていると、身体のことをつい忘れがちになります。でも、身体ってほんとに大事だし、身体を動かすと、煮詰まった考えがちょっと緩和されたりします。道端に生えたつくしを見ながら、思わず笑顔になり、たまには散歩もいいなあと思った、そんな一日でした。

 さて。今回のテーマは「ありのままの私で働くのは難しいけれど」です。仕事って、どうしてもお金をいただく分、完璧を求められたり、自分を装ったり、本心とは違うことを言わなくてはいけない場面が多いかと思います。

 自分は悪くないのに謝らなくてはいけなかったり、事実とは異なった話をさも、本当のことかのように言わなくてはいけなかったり。心の中ではそんなこと全く思っていないのに、「○○さんってすごいですねー」とお世辞を言わなくてはいけなかったり。皆さん、そんな経験はありませんか?

 特に、営業能力に欠けている私は、「事実とは違うけれど、こっちのお客さんにはこう言って、あっちのお客さんにはああ言っておいて」と指示されると、頭がすっかりごちゃごちゃ。しかも、本当のことを言っていないので、どこからどこまでが本当のことで、どこからどこまでがはったりなのかわからなくなって、すごくストレスが溜まります。でも、仕事だからなかなかNOとは言えません。その上、嘘をついたことで「どうしてそうなるの?納得できない!」なんてお客さんに言われると、しどろもどろ。話し終わった後、どっと疲れてしまうことも。皆さんはいかがでしょうか。

 顔ではにこにこしていても、心の中では「本当は私のせいじゃないのに、どうして私が怒られなくちゃいけないの!悪いのはあいつなのに!!」とか、「本当はこんな飲み会行きたくないのに、付き合いで行かなくちゃいけない・・ああ憂鬱・・。」とか、「何であんな嫌なヤツのことをおだてなくちゃいけないの!」と思っていませんか。

 自分の思いとは正反対のことを口にすると、どうしても『消化できないモヤモヤ』が自分の中に溜まっていくような気がします。そして、その『言葉にできないモヤモヤ』がどんどん蓄積していって、解消できないと、「もういやだー!!」と自分の心がSOSを出して、過食や過食嘔吐のような摂食障害の症状に繋がっていくことが多いですよね。さて、そんな時は一体どうしたらいいんでしょうか。

 例えば、こんな方法はどうでしょう。何となく嫌な気持ちを抱えたまま言うのではなく、せめて、自分でその『違和感』や『モヤモヤ』を自覚しながら、口に出してみます。「これは仕事を円滑にするために仕方ないことなんだ。嫌だけど、とりあえずこう言っておこう。」と思いながら発言するのと、何となく嫌だなあと思いながら発言するのでは、その後の気持ちがだいぶ違ってくるのではないでしょうか。『言葉にできないモヤモヤ』が自分の中に気づかぬうちに積もり積もっていくと、いつしか自分では対処できなくなってきて、ぶわーっと爆発してしまうことが少なくありません。

 ありのままの自分で、自分の心に正直に仕事をしたい。もちろん、そんな風に働けたら本当に素敵だと思います。でも、きっと全部が全部そういう訳にはいかない。心の中で嫌だ!と思っても、どうしてもやらざるをえないことも出てくると思います。

 そんな時はせめて、自分の正直な気持ちを自覚しながらやってみたらどうでしょうか。もちろん、ここはどうしても譲れないからやりたくない!というなら思い切ってNO!と言ってみるのもひとつの勇気ある選択だと思います。

 できるだけ自分の心に無理なく働けたらいいですよね。

(2010/4/23)