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摂食障害と仕事 ~ルマコラム~

Vol.1 摂食障害と働くということ

 皆さん、はじめまして。岡井ルマと言います。

 簡単に自己紹介をしますと、私自身は吐かない過食が約10年ほど続きまして、その間、持病+過食症が酷くなって生活がままならなくなり、大学を中退。その後、紆余曲折を経て、何とか過食は沈静化。現在は、貿易関係の仕事をしています。

 過食が止まらなくて罪悪感でがんじがらめになっていた時、いちばん辛かったのが将来が見えないことでした。今現在も最悪なのに、未来のビジョンは見えないし、どうやって生きていったらいいのかわからない。皆は順調に進んでいる(ように見える)のに、学歴も能力もなくて、友達も彼氏もいなくて、頼るものは何もない。親からは「どうやって生きていくんだ!」と責められ、ストレスから余計、食べ物のことで頭がいっぱい。あの時の絶望感は今でも忘れられません。生きていく術がわからない。逃げるところは食べ物しかないのに、食べ物を買うお金さえもない。

 ひとりで生きていくためには、とりあえずお金を稼がないといけないから、漠然と働くしかないんだろうなと思ってはいました。ただ、あの頃の私には「働く」ということがとにかく怖かった。それに加え、摂食障害が治ってないのに働けるんだろうか。勤務中に過食したくなったらどうしたらいいのだろうと思って、ものすごく不安でした。

 「摂食障害と仕事」というと誤解を招きそうですが、私は決して働くことを推奨している訳ではありません。私自身は「働かないといけない!」という強迫観念に駆られて働き出したのですが、今から考えると、そこまで思い詰めなくてもよかったのになと思います。ただ、自分の経験上、楽になる選択肢のひとつとして「働く」という選択肢があってもいいと思うのです。もちろん、働くことで嫌な経験をすることもあるでしょうが、自分に自信がついたり、仕事にやりがいを感じたり、自分の好きなことにお金を使えたり・・といったプラスの面もあります。私自身は、働くことでだんだん人生の歯車が噛み合ってきて、精神的に楽になったし、将来に対して極端に悲観することがなくなりました。

 これは個人的な意見ですが、「生きづらさ」というのは、世間と足並みを揃えないといけないという目に見えない強迫観念みたいなものから生まれるんじゃないかなと思うんです。特に女の人だと、学校出て、働いて、結婚して、家事もして、子供も産んで・・みたいなレールがいまだに敷かれている。普通に考えたら全部なんてできる訳ないのに、それを全部できなきゃダメな気にさせられる。働くにしても、正社員で年収はこれくらいで・・とか。そんな比較してたら、いつまで経っても苦しいままだと思うんです。

 働かなくても何とかなるんだったら、無理に働かなくていいし、アルバイトだって、派遣だって、パートだって、正社員だって、何だっていい。自分で仕事を作り出してもいい。働いてひとり暮らしして、自活しなくちゃいけない訳でもない。摂食障害と仕事の両立がキツくて、自分が崩壊しそうなら、仕事を休んだり、辞めてもいいんじゃないかな。

 全部完璧にしようと思わなくていいし、どんな立場でもオールオッケー。そんなことを踏まえながら、皆さんと一緒に「摂食障害と仕事」について考えていけたらいいなと思っています。よろしくお願いします。

(2009/10/1)