トップ >> 摂食障害と暮らす >> 摂食障害とからだ~食べることは生きること 木内千暁医師インタビュー

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摂食障害とからだ~食べることは生きること

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<低出生体重児は成人病を発症する可能性が高まります>

―無月経になるということは、体が危機の状態にあるということで、食べて!というサインとも言えるのですね。では次に、妊娠出産時に低体重の場合、胎児に起こりうる影響について教えてください。

 日本では、1980年代から低出生体重児が増え続けています。平均出生体重も、年々減少している状況です。これは、母親の体重低下によるものと考えられるんですね。それはどういうことかと言うと、胎盤の機能不全で栄養が届かない状況が起こっているということなんです。そして、低出生体重で生まれると将来高血圧症・高脂血症・糖尿病などの成人病を発症する可能性が高まるということが最近わかってきています。

―えっ!成人病…ですか?

  そうです。胎児期や乳幼児期に低体重だと、様々な要因から成人病素因が形成されることになるという報告がなされているんです。これはとっても重要な知識ですね。もっと多くの方が知っておくべき知識だと思います。
 昔は、妊娠中毒症にならないように妊婦は食べ過ぎたらいけないと言われていたけれど、今は逆です。もともとの食べる量がただでさえ少ないのに、食べ過ぎないようにとさらに気をつけている。妊婦さんは必要な栄養をしっかりと摂ることが大切なんです。妊娠中は普段プラス300~500キロカロリー、授乳期は特に500キロカロリーはプラスして欲しいですね。授乳期のお母さんが栄養不足の場合は、母乳の成分が薄くなってしまいます。赤ちゃんに、必要な栄養素が行き渡らないということです。

―過食嘔吐の方に関してはどうですか?

 吐くから何か問題があるってことではないですよね。吐くことで栄養が足りていなければ赤ちゃんにも影響があるし、過食で血糖値が高いと赤ちゃんにも影響がある。妊娠中・授乳期はお母さんと赤ちゃんはつながっているから、お母さんのからだのことはすべて赤ちゃんに影響があると思ってください。

―拒食も、過食も、過食嘔吐も、頭ではわかっていてもどうにもならないという側面があると思います。そういう場合はどうしたらいいのでしょうか。

 まずは正しい情報を見て、ご自分で気づくことですね。そして直接自分のからだの状況と向き合ってください。それしか言えません。わたしたち医者は、それを何とかすることはできません。医者ですから、正しい知識をはっきりとお伝えすることが仕事だと思っています。少しでも早く治してほしいですね。特に女性ホルモンは体がつくられる思春期においてとても重要です。初経が遅いということは思春期自体がスタートしないということなんです。

―すでに低体重の状態で出産をした場合は、どうすればいいのでしょうか。

 気をつけるしかありません。ですがタバコを吸う方全員が肺がんになるわけではないのと同じで、必ずしも成人病を発症するということではありません。お子さんの生活習慣や栄養に関して、気をつけて子育てをなさることが大切だと思います。