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摂食障害の基本知識 ~経験者の視点で語り合いました

Chapter4 そもそも、どうしてそんな症状が出るんだろう

saahko : わたしの持論なんだけれど、身体的飢餓と心理的飢餓があるような気がする。常に「食べたらダメ・食べたらダメ」って考えてない?その「食べたらダメ」ってのが心理的飢餓をますますひどくしてるんじゃないかって。

レイカ : だって、最初の一口を食べたらスタートになってしまうんだもん。

saahko : そこで、さっきの話じゃないけど、「失敗してもいい!」って。食べる前から「今日はコレだけにしておこう」とか考えるのをやめて、とにかく味わって食べようって決めて。

かつら : もう一つ思うのは、食べたらアカンって思ってなおさら食べる部分と、満たされたいっていう部分があると思う。愛情不足、足りないものがあって何かをすごく求めてる、その何かを満たすために食べて食べてその処理をしてる、でもいくら食べたってその何かは満たされない。何かが少しずつ満たされて行けば、食べることも少しずつおさまっていくのではないかな?

いづ : さっきの、苦しい気持ちを飲み込んで飲み込んでっていう話があったけれど、飲み込んだ分だけ食べてるってのもあるような気がするな。その食べるっていう行動に目を向けたら際限がなくて、どこまでもループだけれど、何を満たしたいから食べているかっていうところに目を向けられたら…

レイカ : 何を満たしたいとかわからないんですよね。もう、スイッチが入ったら、ほんのちょっとした琴線に触れただけで、もう抑えられなくなっちゃう。こんなちょっとのストレスで過食のスイッチが入るなら、この先もう生きていけないって思っちゃう。

かつら : ストレスが、今までにすでにパンパンなんですよ。その上にちょっとのストレスがかかったらパンパン以上にあふれてしまうから、その土台のパンパンなストレスを出してガス抜きしてあげることが必要なんじゃないかなあ。

レイカ : でももともとわたしは、神経質な気もする。その壷が人よりすぐに満ぱんになりやすいというか。お父さんがテレビのチャンネルをパッパッパッパって変えてるだけでイライラしてキレそうになる。そんなことぐらいでって思うんだけれど…もう、自分をやっていくのがしんどい。

かつら : もともとすごく傷つきやすいっていうベースが、多分幼い頃からのいろんな経験で出来上がってしまったけれど、でも、さっきの話でも出たけれど、本を読んだりいろんな人に出会うことで、こういう考え方があるんやとか、なんやこういう風に楽に考えたらいいんやとか、ペケとか丸だけじゃなくて三角っていう考え方があるんやとかちょっとずつ学んでいって、自分で楽に生きていけるような学習をしていくと、表面がやわらかくて傷つきやすいわたしたちの心も地盤が少しずつ固まっていくんじゃないかな。

いづ : さっきレイカちゃんから質問があった、どうしてあそこまで症状がでるのかって部分で、めぇぐさんの場合は拒食だったんだけれど、拒食のときはどんな感じでした?

めぇぐ : なんかね、ばーっと食べちゃったことはあったんですけど、吐いたりしたことはなかったですね。気づいたら拒食になってたんですけど、拒食症やって自覚してから、自分なんかが普通に食べていいのかな?というのがずっとありました。そんな価値のない人間やって自分のことを思っていて、ずっと親にも「なんで生きてる価値のない人間が生きてんねん」みたいなことを言われてて。自分でもそう思ってる部分もあって、ずっと自分に自信がなかったし。食べたらダメやから食べないとかではないんですけど、食べたいとかそんなのもあまり感じなかったです。何が食べたいとか、自分が何が好きとか。服とかでも、いま流行の服が欲しいとかそんなに思わなかったし。みんなが映画の話とかしていても、「○○観にいった?」とか話していても、その映画を知らなかったり。音楽とかもあまり聴かなかった。もともとは音楽とか好きなんですけど、流行とかに興味無くなってしまっていて、自分からまわりを遠ざけていました。

いづ : さっきの無感覚とか欲しいものが分からない、欲しいという気持ちも抑えてしまった方が楽みたいな…。

レイカ : それで分からないって感覚なんですかね。物事を決めれない、選べない。何したいのか、どうしたいのか、わからない。嫌なのかいいのか、気持ちいいのか楽しいのかわからない。

saahko : わからなかった、やっぱりずっと。あるのは、食べるか食べないか、痩せるか太るかしかなかった

レイカ : 最近はたった一口でも、これ食べるのか残すのかこれで何kgも変わらないのに、食べるかどうするか、この一口どうしようとか。すごい些細なことで決められない。

saahko ほんとにひどい時は、映画のスクリーンを観ているような人生。自分だけが違うところにポンといてて、周りはみな楽しそうに笑ったりしてるのだけど、わたしだけ違うところにいるような感じがしてた。

レイカ : いますごくそう。自分が異星人みたいに、わたしやっぱおかしいよって。自分ですごく最近分かるようになった。食べもの売り場で30分くらいじーっともの見てた時に「わたし普通じゃないよ、こんなん!」て。悲しくなってくる、何やってるんだろうって。

かつら : でも、みんな仲間だから大丈夫。みんなそういう経験があるから。レイカちゃん、おかしくないよ。

レイカ : でも周りの人から見たら、「万引きするんちゃうか」って誤解されてるんじゃないかって。これを食べようか食べまいか悩んで手に取ってる時間が長かったりとか。食べ出した時が、異様な雰囲気だって言われた。過食の時に、目つきが違う、怖いって、ひかれる。

かつら : みんなそうよ。私らみんな一緒。一緒やと思う。

レイカ : 誰かと食事してる時に、食べることに真剣になってる自分を見られるのが怖くなった。

かつら : カーテン閉めて食べてた。