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摂食障害の基本知識 ~経験者の視点で語り合いました
いづ : 苦しみを出せなかったのは、何でだろうね。
めぇぐ : 出したらダメだという気持ちがありましたね。何でそんなことぐらいで?って思われるのが嫌で、こんなん言ったら嫌われるってすごく考えてしまって…。この人は自分のことをどういう風に思ってるかとか、そんな風にすごく考えてしまうんです。親に対してもそうだったし、嫌われるのがずっとすごく怖かったし…。ほんとの自分を出せる場所ってすごく大切やと思います。
いづ : みえっちさんはどうですか?苦しい気持ちを出したらだめって思ったりしますか?
みえっち : 言えなかったですね…。やっぱり友達とかでも自分の意見を言うほうじゃなかったので、嫌なことがあったりしても、言わずに全部自己処理していましたね。
いづ : かつらさんはどうですか?苦しかったときに誰かに言葉にして伝えたりした?
かつら : 伝えられる環境ではなかったんです。一番苦しかった時は、親も離婚していて、母も更年期障害か何かで変になっていて、人のことを殴るとか、夜中に暴れて、一人暮らしのわたしの家に父から助けを求める電話がかかってきたりとか…。かと言って職場に行ったら職場で、まだ看護師1年目だったので、仕事がそんなにできなくて、「何でこんなことできへんねん!」とか「看護師なったの、間違えてたんちゃうか!」とかいちいちカルテ投げられたりして、職場に行っては泣いて、泣く泣く家の人に相談しようとしても家の中もごちゃごちゃで、言える状況じゃなかったから、全部自分で飲み込んで。それで余計に過食嘔吐がひどくなっていって…。友達に言おうと思っても、明るいかつらっていうイメージから離れることが怖くて、看護師という立場上、摂食障害なのも隠さなきゃいけない気がして、みんなには明るくふるまっていた。先輩の看護師に相談しても、興味本位で根堀葉掘り興味しんしんで聞かれただけで、結局助けてもらえなかったし。ほんとに相談できる人がいなくて、全部全部飲み込んでいかなきゃいけなかった。
いづ : 苦しい気持ちを言うことで周りがひいてしまったり嫌われるんじゃないかっていう怖さと、言ってもきっとわかってもらえないっていう怖さとが複雑に絡み合ってるような気がするね。
saahko : 「存在したらダメだ」と思っている自分やのに、そんな話を人に聞いてもらうことなんてできひんと思った。そのための時間をとってもらうのも申し訳ないし、わたしの話に付き合ってもらったり、一緒に居てもらうことさえも、すごく申し訳なく思ってた。
かつら : ごめんーって感じだよね。ほんまごめんなさいーって。
saahko : 「わたしのために時間もお金も使わんでいい」っていうような、恋愛しててもそんな感じで、「誕生日に何欲しい?」って言われても、「何もいらんから、いつもどおりでいいし」って…。で、わたしの場合は、苦しいとか悲しいとか、自分がまわりの状況からみてかわいそうな立場にあるってことを自分で感じてしまったら、自分がかわいそうだから、それも感じなくしていたと思う。それも感じないところに自分を押し込めていたと思う。小学校のときに「口が大きい」って事でいろいろ言われたりしてたんだけれど、その時も多分本当は泣きたかったと思うんだけれど、「そんなことされている自分はかわいそうじゃない」って自分は思いたいから、嫌なことを嫌って思わないように自分の中で処理していたと思う。嫌なことも悲しいことも感じなくしたほうが楽やから、多分全部無処理のまま…
レイカ : 無感覚っていうかね…
saahko : これ以上傷つきたくないから感じなくしたほうがいい。例えばアイスが食べたくても、「食べたい」って言ったら「ダメ」って言われるのがわかっているから、「食べたい」って思う気持ちさえも消してしまったほうが楽みたいな。欲しい気持ちさえもなくしてしまう。高校で摂食障害になったときには、すでにそういう無気力無感動な自分ができあがっていた。季節もなんにも感じられへんかったし。
レイカ : もう、傷つきすぎて、相手に期待とか希望とか抱かない、望まない、求めない。友達から自然に下がっていってるような自分が居て、でも本当はみんなと仲良くしたいのに…。
saahko : みんなと意識が違うのか、みんなが「楽しい」って笑ってることが別に楽しくなかったりとか。「何でやろう」って思いながら、結局入っていけなかったりとか。流行にもいつもついていけないし。
かつら : わたしはそういうとき、無理に笑ってた。笑ってるからわたしも笑っとかなあかんわみたいな。
レイカ : 頭の中には食べ物のことばかりが回ってる感じで、それに捉われていて、みんなはそういうことじゃないことを楽しんでいるのに…。友達と別れてからコンビニ行ったりケーキ売り場をうろついて…みんなは彼氏の話とか洋服の話とかしてるのに、菓子パンを見て幸せな気持ちになってる自分って…。
みえっち : ほんとに無気力無感動、最近頭使ってないなって思う。
いづ : 頭使ってないってどんな感じ?
みえっち : 何も考えてない、今日はいかに安く何を食べようかなって…そればっかり考えてます。
レイカ : 質より量やもんね。何であれだけ入るんやろう…。おいしいってわけでもないのに、どこにそんな胃袋があるんやろうって自分で思うんだけど…
かつら : おなかいっぱいっていうボーダーラインをもう超えちゃってるから、どんどんどんどん…
いづ : それこそ感じなくしてるのかな?
かつら : おいしくもないのに、おひつのままごはんにケチャップかけて食べたりとか、それっておいしくないはずやのに!でも入る。
いづ : 凍ったまま食べたりね。
レイカ : するする!解凍が待たれへん。おかしいで、なんでなんで???って。いくら考えてもわからへん。
かつら : わたし、かびだらけのパン食べたこともある。食べたあとに気づいて、でもそのまま引き続き食べてて…

