トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 仲間に聞いてみよう!Vol.1 摂食障害の方の会、「Peer」スタッフによる対談

摂食障害の基本知識 ~仲間に聞いてみよう!

自分だけじゃないと解ったとき、「共感」の笑いが起きる

-雑誌「Peerful」の読者の投稿欄、川柳コーナーが人気だそうです。一部、紹介してみます。
 嘔吐には ネバネバ野菜が 役に立つ (ぱん/愛媛県)
 回転寿司 さび抜きじゃなく シャリ抜きで (じぇりー/山形県)
 夜過食 したいけれども 眠いんだ (しろくま/長野県)

はる なんだか「くすっ」てなるでしょ?(笑)この川柳を読んだら、摂食障害の重苦しいイメージが変わるんじゃないかなって思います。川柳のコーナーって、私たちのピアグループのミーティングの雰囲気に似ています。ミーティングの時もすごく深刻なことを話しているのに、途中で本人がくすって笑って、みんなで笑い合うことがあるんです。それって、決してあざけりの笑いではなく、「こういう風に食べるよね~」「あー、わかる、わかる!」みたいな共感の笑いなんです。

 こんなことをしているのは自分しかいないと思っていたのに、話してみたら、意外と他の人たちも同じことしていることが判明した時、思わず笑っちゃうことがある。でも、これって摂食障害じゃない人に言っても笑えない。似たような経験を持ち、ツボが同じだからこそ、ネタとして笑えるんですよね。

はる 私も当時、自分が恐ろしい怪獣のような存在だと思っていたけど、今思えば、その姿が必死であればあるほど、笑えちゃう。

 私はみんなの話聞いていて、どの話も映画にしたら絶対面白いなって思うことがあります。映画のストーリーって、はじめは困難やトラブルの連続で、苦しみをいかに乗り越えてハッピーエンドになるかがテーマになることが多い。そう考えると、私たちの人生はネタに溢れています。このネタが、いつかお金になる日がくるかも知れない!・・・なんてね(笑)

はる アハハ・・・(笑)Tちゃんのそういう発想、楽しくて大好き(笑)そう考えると、なんか視点が変わる気がするよね。 川柳でもそんな風に、つらい状況を「笑っちゃう」ことで視点を変えられたらいいな、と思うんです。こんなにつらい状況にいる自分のことすら、なにかの拍子にでも「笑っちゃう」ことが出来るということは、自分をちゃんと客観視できているということ。自分自身を冷静に外側から見つめることが出来たとき、それまでとは違う新しい景色がぱーっと見えてきたりして、そのことが回復へと続く大きな一歩になっていくんだと思います。

-笑い飛ばすということは医療関係者にはできないことです。まさに当事者の間だからこそ生まれる「回復力」ですね。

はる 同じ症状を持つ人、あるいは摂食障害を抜け出した人に直接会うというのは、とてもパワフルなことだと思っています。もっとピアグループが身近にたくさんあって、気軽に参加できる社会になって欲しいです。摂食障害を発症した時、お医者さんにかかるのとはまた別の方法として、ピアグループとの交流も回復の手段になることを、広く伝えていけたらいいなと思います。