トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 いろんな人に聞いてみよう!vol.3 身体から出す言葉とは???~池見隆雄さんとの座談会

摂食障害の基本知識 ~いろんな人に聞いてみよう!

楽にいてもらえるとうれしい

みか : 私があかりトークでファシリテーターの時は他の参加者さんの何か役に立てればいいなあという気持ちが強くて、他の参加者さんが気になると自分の話はあまりする気にならないのですが、先生はそれはエンカウンターグループの中でどうやっていらっしゃるんですか

池見 : ファシリテーターとしてのやり方はそれぞれみんなちょっと違うところがあると思うので、僕は僕なりのファシリテーターをやってるけれど、そんなふうに細やかで時間がかかる作業なので、やはりちょっと日常から離れたところで、時間をかけて。まあ、心理的な安全とかと言いますが、自分にとってすごくナイーブなことでしょ、それをこう、言ってみれば表現できる雰囲気を作っていかなくちゃいけないし、極めて可能な限りそれが安心な状態で出せて、しかも、ま、できればその時々グループの人とコミュニケーションが成立するってことを考えると、こういう場のあり方が僕にとっては今のところは…。あ、それより、それもあるけど、僕自身がそういうあり方の場にいる時に、もっともそれこそ気持ちの言葉を出しやすい。自分本位だ(笑)

渋谷 : グループは一対多なんですよね

池見 : ああ、そうか、そうそう。よく場のダイナミクスと言われるけれど、一対一だったら常に僕はそこに、あの、どういったらいいかな…、ある相手がいることで会話から自分がちょっと身を引くとかいうことができないわけですよね。グループだったら例えばAさんとBさんがやり取りしてて、僕はそこからちょっと引いてその2人のやり取りをよく感じていることができるわけですよ。だから割に自分のことを出しやすい。他の人たちの中でも、例えばBさんがCさんとDさんとのやり取りを聞きながら、自分の中でそれを感じてそれを自分に当てはめたりする場合もあるかもしれないし、例えばCさんやDさんにかけたい言葉が浮かんでくるかもしれない。あるいは語るだけじゃなくてね、聞く側になったり、いろんなこう、自分の望む、あるいは無理のないあり方でいれるという、そういう利点がありますね。だから一人の人が言ったことに対しても、Aさんだけじゃなくて何人もの人がフィードバックしてくれる。多くの視点から。気づきの幅が広がる可能性に富んでるんですよ

(一同沈黙)

池見 : まあ時にはやっぱり、感じ方が違う人同士が行き違うことに対して、そういう場合はまあ、お互いがあまりなんかこう、対立だけでは終わらないようにそこはいろいろと工夫する。しかし対立があることによってより、お互い理解が深まるってこともかなりある。違う人たちの意見がぶつかったりして、たとえば何人かがAさんを支持して何人かがBさんを支持したりして全体がなんかこう少し…やや混乱状態になるんだけれど、やっぱりグループ力学の中にはそんな混乱状態になったときに何とかそれを調和させたいっていう思いも働くんですよ。その力が働いて、ある種の混乱状態から調和のほうにずっとこう展開していったときの何とも言えない達成感とか爽快感とか、あります

渋谷 : 去年ある2泊3日のグループに参加したんですけど、まあ少しすれ違った印象があって…。そこはちょっとモヤモヤが残ってて…

池見 : わかりますよ

いづ : あかりトークの約束事で「批判・分析・アドバイスをしない」ってのがあるんですが、エンカウンターグループはきっと批判も分析もアドバイスもありなんですよね

池見 : ありじゃない

いづ : ありじゃない…

池見 : ま、そうしようとする人はあまり…あまりというか時々はいるんだけれど。ま、少なくともファシリテーターはしない。で、やはりそういう人が居た場合、分析とか助言をしたからっていうより・・・・・、それもあるんだけれど、今ちょっと気になっていること。あの、多分こう、みかさんとまっちゃんと今日初めてご一緒させてもらってるっていうこともあるんだと思うんだけれど、なんかこう僕すごい緊張感があって(笑)。どういうのかな…初めて会ったからっていう一般的な緊張感っていうよりは、やっぱりこう、どういったらいいかな…外側から見られてるのかなっていう、あの、僕が、僕とこう対等にっていうか、そういう風にこう語るっていうかこう話し合うっていうか、そういう感じというよりは少しこう距離を置いて外側から会ってるっていうか見られてるような感じがちょっとあって、僕はその感じがすごく窮屈になる癖があって、緊張感が抜けないっていうか…。ただ、これは僕が感じてることなんで、実際にみかさんとまっちゃんがそういうふうなあれなのかどうかははっきりはわからない

みか : 私は全然そんなこと…

まっちゃん : 私もすごい居心地がいいんですけど…なんか知らんけど…先生の雰囲気なんでしょうね。いつもはこう私も初めての人は緊張するのでガチガチなんですけど、力がこう入っるんですけど…

いづ : 私も久しぶりにお会いするので最初すっごい緊張しとって…とにかく頭に浮かんだことを話さんなんみたいな感じやったのが、池見先生がさっきおっしゃった、相手のうちどちらかがそのあり方でおればおのずとそうなるみたいな感じに私は今自分がなってるような感じがあって、頭がぶわーって感じに今全然なってないって言うか

池見 : まあそう言ってもらえると…、楽に居てもらえるとうれしい…
ところで、批判・分析・アドバイスっていうのはだいたい頭から出る言葉、あるいはこの頃の言い方だと上から目線の言葉といってよいかな。それは、これまで述べてきたグループのあり方とそぐわないわけですよ。グループでは、身体から出る言葉、言い換えれば気持ちの言葉が主たるコミュニケーション法となるわけで、自分の気持ちを相手に伝えようとするのだから、それは、あくまで対等。
そこで、グループでは、少なくも私の意中のグループでは、あらかじめ約束事にしておかなくても、自然に批判・分析・アドバイスは出てこない、ほとんど出てこない。誤解のないように付け加えれば、グループは仲良しごっこじゃないので、他の人の言うことに賛同できないようなときには、「私には、あなたの言われることに賛同できない気持ちがある」と伝える、なかなか勇気のいることだけれど・・・・・それがまた新たな対話の種をまき、お互いの距離をちぢめるきっかけにもなって