トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 ドクターに聞いてみよう!vol.7安藤哲也さん

摂食障害の基本知識 ~ドクターに聞いてみよう!

医学部を卒業後、臨床よりも研究が長かった

いづ : そもそも摂食障害治療にはもともと力を入れていらっしゃったんですか?

安藤 : 話せばちょっと長くなるんですが…1986年に九州大学医学部を卒業して心療内科に入って、今ほぼ30年が経ちますね。最初は医局に居て、むしろその頃は喘息が主でね、今は吸入ステロイド剤ができてそんなにひどい方は少なくなったけれど、心理的な要因がかなり影響するっていうことで、喘息だけではないけれどそういう心身医療一般について取り組んでいました。当時、医局にはアレルギーとか内分泌とかいくつかの研究班があった中で、摂食障害の研究とか治療は内分泌班でしていました。その80年代の頃は過食症というのはまだあまり多くなくて、ほとんどが過食嘔吐もないタイプのやせ症ばっかりでしたね。で、研修医の時に2人の患者さんを診て、1人はすぐに病院を飛び出してしまったのだけれど、もう1人は最後まで何とか関わることができて、今で言う行動制限療法というのをしてね。だんだん体重を増やしていくと同時に制限を外していくという。どこをどう外していけばいいのかわからないという思いがあるままに…

いづ : 手探りですね…

安藤 : まあプログラムがあるのでそれに合わせつつ、患者さんと話し合って同意を得て進めていく。それは喘息治療でも一緒で、喘息も心理的なものの影響が大きいので治療者との関係というのがとても大切になってくる。

いづ : 知らなかった…喘息がそうだなんて

安藤 : やはり喘息も特にひどい方はがんばり屋さんでね、我慢してがんばってひどくなって、という傾向があったりしますね。

いづ : なんだか摂食障害と似ていますね。

安藤 : そうですね。で、私は科学的な研究もしてみたいって気持ちがあったのと、実感としては心の問題はかなり喘息発作とか身体に影響するっていうのはわかったのだけれどもその仕組みを研究したいということで、当時、精神神経免疫学という分野、要するに精神的なことと身体の免疫の抵抗力が関係しているってことがわかっていて、その研究がしたいってことで生理学の研究室に入った。動物にストレスを与えたり脳のいろんな部位を刺激して免疫の働きがどうなるかを研究していた。トータル5年の臨床の後に、研究は留学も含めて8年間。そこまではそんなに摂食障害には関わっていないわけ。

いづ : ではその後からですね。

安藤 : そうですね、最初の患者さんが病院を飛び出してしまったって言いましたでしょ、ほとんど話ができなくて、関係が作れなくて、かなり痩せていて表情も乏しい感じでね…

いづ : そういうことがひっかかりとしてあった…

安藤 : そうですね、他の心身症の患者さんだったら少なくとも話合いはできるわけですよ。摂食障害に力を入れるきっかけになったのは1998年に千葉県市川市にあった国府台精神保健研究所っていう、そこの心身医学研究部、心療内科の研究部ですけども、…みなさんもしかしたら心療内科と精神科の区別って…

いづ・まっちゃん・みか : ついてないです…