トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 ドクターに聞いてみよう!vol.3竹村道夫さん

摂食障害の基本知識 ~ドクターに聞いてみよう!

治療において、薬はあくまでも補助的なものです

―なるほど…。基本的には自分で治すものだけれど、特に重症の場合はそこに専門家の助言や治療のプログラムが必要ということですね。先生は、薬の処方についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

 当院での初期治療の目標の一つは、処方薬依存を減らすことです。ほかの病院からいらっしゃる方の中には十種類以上も向精神薬が処方されている場合もあります。ベンゾジアピン系薬剤は、現在、精神安定剤、睡眠剤の中心的な処方薬で、短期の使用では、比較的に安全ですが、長期に使用すると依存乱用の危険があります。しかし、そういった薬を多種大量に処方されている方、そしてそれを何年も飲んでいるような方が非常に多いんですね。当院では処方薬をなるべく減らして、健康な生活習慣を取り戻すことを大切にしています。

―それでもやはり、薬を処方する場合もあると思うのですが、それはどんな場合ですか?

 そうですね、使う時は使います。多くは、使いたいというご本人の希望があった場合で、こちらも使ったほうがいいと判断した場合です。抑うつの場合や、躁鬱病などの合併症がある時にも使いますね。

 一番よく使うのはSSRIという抗うつ薬です。ブリミア(過食)に関してはある程度の効果があるということはわかっていますが、副作用もありますし、なしで回復する方も結構いらっしゃるので、使わずに回復するのが一番の理想です。服薬したから治るということではなくて、補助的な役割ですね。過食が少し減るとか、抑うつが少し減るといった程度です。精神療法や環境的な配慮が必要で、そちらのほうがむしろ重要です。投薬は本質的な治療ではないということですね。この病院でも、ほとんど、あるいはまったく薬を飲んでいない方は結構いらっしゃいます。

 SSRIなどの薬を飲んでいると、服用をやめたときにいらいらしたり不安定になったりといった離脱症状が起こります。そうすると、「やっぱり効いていたんだ」と思いがちですが、離脱症状は徐々に服薬を減らしていけば起こらないんですね。それを急にやめるから離脱症状が出て、患者さんやご家族は、やっぱり薬が必要だったんだと信じてしまうのです。それから、SSRIに関しては、少数例ですが、服用中にアクティベーション・シンドロームといって、急に興奮、攻撃性、易刺激性などの副作用が出現することがあります。これも注意が必要ですね。