トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 ドクターに聞いてみよう!vol.3竹村道夫さん

摂食障害の基本知識 ~ドクターに聞いてみよう!

薬物もアルコールも摂食障害も根本は同じ

-この病院はアルコール症の専門病院ですが、どういった経緯で摂食障害にも対応することになったのでしょうか。先生のこれまでの摂食障害との関わりについて教えてください。

 私は元々の関心が嗜癖(しへき)問題全般だったのですが、当時、国の病床制限の関係でアルコール症専門として病院を立ち上げました。今ではアルコール・薬物依存症専門病院になっています。薬物依存もアルコール依存も、根本は同じなんですね。

 そこに摂食障害が加わってきたのは何故かと言うと、若い女性のアルコール依存症の方は、ほとんどが摂食障害を合併しているんです。20代以下のアルコール依存症で入院を要するの方の7割が摂食障害を合併している。そして大抵は、摂食障害が先に発症しているんですね。

 ここはアルコール・薬物問題を家族の問題として捉え家族全体を治療対象としている施設です。ところが、酒害家庭で育った女性は、思春期に高い確率で摂食障害を発症します。アルコール依存や薬物依存も併発している場合の摂食障害の治療先や、家族の問題も総合的に捉えて治療する施設があまりないこと、そもそも摂食障害を治療する施設自体が日本に非常に少なかったことから、必然的に摂食障害にも関わらざるを得なくなってきたという経緯があります。

 摂食障害というのは、手術や安静でよくなる病気ではありませんし、投薬治療も効果がいまひとつです。それ以外の総合的な治療技術を使わないと上手く行かないんです。その一つが、「家族の問題」という視点ですね。

※ 嗜癖とは
 嗜癖は、英語の「アディクション(Addiction)」の訳語で、「ある習慣への耽溺」を意味します。重症例は病気とされ、「依存症(Dependence)」と呼ばれますが、嗜癖はもう少し軽症例から重症例までを含めた広い概念で使われます。
 代表的疾患としては、アルコール依存症がありますが、このほかに薬物乱用、薬物依存症があります。乱用はおよそ依存症の前段階と考えて差し支えありません。