トップ >> 治療に関する情報 >> 摂食障害の基本知識 ドクターに聞いてみよう!vol.1大河原昌夫さん

摂食障害の基本知識 ~ドクターに聞いてみよう!

摂食の方を考えるとき、お父さんとの関係をいつも一緒に考えます

―本にも書いておられましたけど、アルコールから摂食障害にシフトなさった、その心境もお聞きしたいんですが。

一つは、私的なことなんだけど、僕の娘が生まれたことがある。僕、姉が一人いるんだけど、その姉と父の関係はわりと淡白で、細やかな交流が感じられなかった。ところが、あるとき、僕の親しかった女性が、お父さんととってもいい関係だった。僕に娘が生まれて、ああいう父・娘関係もあるなと思ったんですよ。もともとアルコールやっているときから家族に関心がありましたから、摂食の人を診ていると、家族というのは深く考える意味があると。僕は摂食の人を診ても決して母・娘カプセルには関心が行かなくて、お父さんとの関係をいつも一緒に考えるのは、最初から僕にとって自明のことでしたね。だから、医療者の中でも母親の育て直しとか、ああいうことを言っている人には、何でこの人は父親のことを見ないんだろうって、最初から違和感がありました。家族会とかやるでしょう。そうすると、意外なのはお父さんなんですよ。つまり、本人とかお母さんがいろいろお父さんのことを言うんだけど、現実にお父さんに会ってみると意外なんですね。

―どういうふうに。

奥さんが「うちの旦那は無口で何もしゃべんない」と言った人が、全然そんなことなくて、ちゃんとしゃべってくれたり、「何も娘のことを考えない」と言われるお父さんが、実は娘のことを考えているけど、奥さんがぺらぺら言うので自分は黙っていたとか、そういうのがたくさんあります。実に意外。そしてお父さんが変化するんですよ。家族会に1年も来ていると、実に優しいお父さんになったり、娘と会話を始めたり、男は一回理解するとちゃんと歩みますね。変化してくれるんですよ。家族会やっていてとても楽しいですね。

―先生ご自身がお父さんということもあって。

そうですね。だから意見もしやすいし、同じ世代だから、「お父さん、それはまずい」と言える。だから僕いつも思うんだけど、20代30代の医者が摂食障害をやっていると、本人と同じ目線になるから、いい点もたくさんあると思うんですけど、やはり家族をしかるのは難しいのではないでしょうか。きっと家族も緊張するんじゃないかな。僕ぐらいの年齢だと、家族に苦情をいっても、冷やかしても向こうはある程度受けとめてくれますね。言われてもしようがないなという感じになるのかもしれません。